最近、各地の特色ある文化観光プロジェクトが頻繁に注目を集めている。西安の大唐芙蓉園では「曲江花月宴」が開催され、来客は盛唐の風情を体験できる。山東省の臨沂では「団長に従って県城を攻める」というインタラクティブなプロジェクトが盛り上がりを見せ、無錫の鼋頭渚景区では「水上音楽花火大会」が太湖の夜景を彩っている。こうした新しい遊び方やシーン、新たな業態が次々と登場し、話題を呼んでいる。
文化観光製品は「流量パスワード(消費者の興味を引き、商品やサービスを効果的にプロモーションするための方法や手段)」をどう掌握するのか?これらの人気コンテンツにより大衆が文化観光製品に対して、単にあるだけではなく、優れたものを求めていることがわかる。文化旅行製品は常に「上新(新しいものを提供する)」するだけでなく、サービスも「上心(もてなしをアップグレードすること)」して、大衆の心に響く体験やストーリーへの憧れに応えなければならない。
あるネットユーザーは、「多くの場所の『古鎮』は実際には外観が似た模造古建築であり、いわゆる『小吃街』では、どこでも見かけるミルクティーや澱粉腸、大イカを売っている」と不満を述べた。このことからも、似たり寄ったりの観光地はもはや観光客の心を打つことができなくなっている。地域の特色を活かし、文化資源を深く掘り下げ、有名で識別性の高い、かつ大衆に人気のある文化旅行製品を継続的に提供することで、客を呼び寄せ、定着させることができる。
製品供給を拡大するだけでなく、サービスレベルの向上も重要である。現在、観光地の核心的な競争力は「観光」から「深い体験」へと移行している。観光客の「来た、撮った、でも忘れた」という状況を避けるためには、観光地は深い体験を提供する努力が求められる。
昨年7月、文化旅行部は20の文化・観光産業における新しいビジネスモデルや体験型のプロジェクトを発表した。「重慶·1949」や「長安十二時辰」などの没入型演劇、夜の観光、街区が選定された。
最近では、臨沂市の沂南区で「団長に従って県城を攻める」という特色あるインタラクティブプロジェクトが人気を集め、観光客は「県城を攻める」シミュレーションの中で、戦場の激動の時代を体験できる。各種のテクノロジーの助けを借りて、観光地はより良い没入型プロジェクトを構築し、深い体験で観光客の心を掴むことができる。
観光地の誠意はどれほどか、それは観光客が最も意見を持っている。最近、ゲーム「黒神話:悟空」が爆発的にヒットし、そのロケ地の一つである山西省臨汾市の小西天景区が多くの観光客を引き寄せている。観光地の受け入れ能力が限られていることや長い待ち時間に対する疑問に対し、地元のスタッフは積極的に応じ、現場で歌ったり、「唐僧」を演じたり、特産品をプレゼントするなどして、観光客の気持ちを解きほぐし、高評価を得た。
真心を込めたサービスがあれば、観光客は心地よいと感じる。焼肉が人気の淄博、温かくもてなすハルピン、そして変化を受け入れる小西天景区など、これらの場所は「大いに満足した」と称賛されることが多く、人を大切にするという精神を持っている。観光地はユーザーのフィードバックに基づいてサービスを最適化し、インフラの整備を進め、観光客が美しい景色を楽しむだけでなく、心温まる人文的な配慮も感じられるようにしなければならない。
文化観光業界は、一方で市民のニーズにつながり、もう一方で消費の活力につながっている。今年の国慶節の黄金週間には、全国で7.65億人が国内旅行をし、国内観光客の総支出は7008.17億元に達し、前年同期比で6.3%の増加となった。
今後、文化観光市場の活力をさらに引き出すためには、文化観光製品は「上新」かつ「上心」である必要があり、すべての観光客が期待を持って訪れ、満足して帰れるようにしなければならない。
近年よく使われる言葉に「文旅产品」というのがあります。
私は「文化観光製品」と翻訳するようにしていますが、なかなかしっくりと来ない印象です。
要は体験型ツアーなどのコンテンツを指すのですが、「ツーリズム」と訳してしまうのもちょっと乱暴な感じがします。
文中にある「上新」と「上心」は日本語同様、中国語でも同音で「shang xin」です。筆者はうまいこと言ったと思っているかもしれませんが、この辺りも翻訳泣かせなんですよね…。
「上」には文字通り「上げる、上げる」の意味もありますし、単に「提供する、出す」という意味もありますので、どっちの意味で使ったのかちょっとわからないです。