無形文化遺産を現代生活により良く融合させる(1)

(長いので2つに分けてご紹介します)

2024年10月23日08:34 | 来源:光明日报

原題:让非遗更好融入现代生活

10月17日、第8回中国無形文化遺産博覧会「無形文化遺産が現代生活に融合する」交流シェア活動が山東省済南で開催された。無形文化遺産の継承者や専門家、業界団体、文化観光機関、ECプラットフォームの責任者などが集まり、近年の社会各界による無形文化遺産保護と継承に関する新たな取り組みや考え方について意見を交わし、無形文化遺産が現代生活により良く融合し、時代の中で輝きを放つことを目標に定めた。

新しい創意:生活シーンで無形文化遺産の美を繰り広げる

近年、流行と伝統を融合させた「解憂年画(現代的な要素やユーモアを取り入れた年画)」が注目を集めている。これは「脱単神器」や「行桃花運」を喜神として用いたり、「逢考必過」で試験神を表現したり、「一億」で財神を象徴したり、「児女双全」で子授けの神を表したりするもので、特に若者の間で人気となっている。このような新しい創意を取り入れた年画は、佛山木版年画の市級代表継承者である劉鐘萍に注目が集まるきっかけとなっている。

年画の用途について尋ねられると、劉鐘萍は必ず「あなたにはどんな願いがありますか?」と聞き返す。彼女にとって、年画は人々の美しい生活への期待や様々な祈りを表現しており、その美しい意味合いは伝統技術と現代生活を結ぶ最良の接点だという。

近年、開店記念日や年画を紹介するための学校訪問を通じて、彼女は人々の個人的なニーズを深く理解し、年画の祈りの伝統に新しい時代の意味を付与している。「今では多くの人が年画を求めに来て、リピーターも増えています。『脱単神器』を注文した後、『児女双全』を頼む人もいます」と劉鐘萍は言う。

「年画の最も良い『博物館』は、間違いなくすべての家庭の中にあります。それは家庭が美しい生活を求めて使うことで、その活力が生まれるからです。木版年画が多くの家庭に広がることで、無形文化遺産が再び活力を取り戻すことができます」

無形文化遺産製品が茶館やカフェに登場したら、どんな体験につながるのだろうか?

上海大学美術学院の副院長、章莉莉教授が紹介した黒陶製の花器や香薰、茶杯、コーヒーカップなどの黒陶製品は、非常に印象的だ。青海省果洛班瑪の黒陶は、省級の非物質文化遺産であり、今年、上海大学は青海果洛伝統工芸作業所を設立し、班瑪の黒陶に焦点を当てた製品の革新と開発を行っている。プロジェクトチームは、継承者と十分にコミュニケーションを取り、製品デザインと工芸品の2つの視点から様々な製品を開発した。これらの製品は、伝統技術のエッセンスを保ちながら、現代的なデザイン要素を取り入れ、班瑪黒陶の文化的価値を継承しつつ市場での魅力を高め、日常生活の中で無形文化遺産の美を表現している。

交流シェア活動では、技術会社や文化企業の責任者がさまざまな事例を通じて、異なる視点から彼らの革新実践を共有した。例えば、「天府大屋檐デジタル画巻」や「新生万物——中国無形文化遺産と現代デザイン展」などが、無形文化遺産の展示に新たな可能性をもたらし、文化と技術の融合による革新を示し、文化観光商業の統合発展を促進している。「瓷生万象,相合為一」などの陶磁器潮玩や、詠春拳とのコラボ商品などは、若者の消費特性である「愛のためにお金を使い、流行を追い、共有し、生活を楽しむ」ことに応じて、無形文化遺産とトレンドを組み合わせ、より多様なシーンをカバーし、より的確なターゲットの設定を実現し、無形文化遺産が若者の生活シーンに浸透することを目指している。

また文化観光の融合による新業態は若者に人気を博している。参加者は、無形文化遺産と観光地、街区の融合発展に関する多くの典型的な事例を共有した。

例えば、今年6月、江西省景徳鎮の陶陽里歴史文化観光区では、最も完全で古い最大の柴窯(薪や藁などの天然素材で焼く窯のこと)である徐家窯を復活させた。現在、毎月の窯開きが観光地の固定の文化活動となり、関連する陶磁器製品が大変な人気を博している。これは、伝統技術の継承のみならず、訪問者に豊かな体験観光を提供している。

また、今年の十一連休期間中、河北省唐山の宴飲食文化博物館の前には長蛇の列ができた。この「食べられる博物館」では、「無形文化遺産+美食」「無形文化遺産+研学」「無形文化遺産+文創」「無形文化遺産+演芸」「無形文化遺産+祭り」などのシリーズの無形文化遺産観光体験プロジェクトを展開し、シーンの復元や実物展示などを通じて、全方位かつ没入型の無形文化遺産体験空間を構築し、訪問者に生活の息吹を感じさせることに成功している。

(続く)

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